いにしえの遍路道の現状

今日は三角寺から西金川へ下る本来の遍路道の現状視察を行いました。

本来の遍路道は、三角寺の石段を下りて、駐車場の前にある商店の左側、しこくのみちの道標の手前の脇道を下って行き、左側の未舗装の道に入って三角寺川まで下り、三角寺川に沿って西金川まで下っていたようです。

現在、歩くことができなくなったと聞いています。

今日はその現状を実際に自分の目で確かめることにしました。

 

1.三角寺側の下山口

 ここは先日のゴミ拾いの時に確認していました。

 舗装された脇道から左へ入る下山口は、予想通り、一面雑草に覆われていました。

 見える範囲だけでは判断できませんので、草刈機を持って来て、雑草を刈り取る必要があります。

 これは冬の間にチャレンジですね。

 

2.西金川側の登山口

 今日は、まず西金川側の登山口から遍路道を上ってみました。100メートルほど上ると道が無くなっていると聞いています。

 道の状態は、足元が整備された道は、まあまあ急な坂ですが、普通に歩けました。

 が、右側に水処理の設備(上に焼却場がある)がある場所で道が途切れていました。

 整備された道が不自然に途切れた場所から道だっただろうと想える方へ進んでみましたが、おそらく焼却場からひいているホースから流れ出てくる水で一面が水浸し状態、とても歩ける状態ではありませんでした。

 ここで引き返すことにしました。

 

3.分水道から探る

 登山口から整備された車道を上ってゆくと、しこくのみちの道標のすこし手前に分水道の入口があります。

 この道を上ってゆくと三角寺川まで行けると聞いていましたので、ここから三角寺川まで行って本来の遍路道を探ってみました。

 整備された道の右側に水路が造られていました。

 歩いやすい林道を進んでゆくと、右側に石標が見えました。

 もしかして・・・

 近寄って見ると、遍路道の標石でした。

 この古い標石が、三角寺から三角寺川に沿って下る遍路道が存在していたことを示しています。

 

4.わんぶち

 古い標石の後、左側に三角寺川が見えるようになり、川に沿って整備された市道を進みました。

 このまま三角寺まで行けるのだろうか?

 期待したのも束の間、整備された道は終わりました。

 目の前に現れたのは、三角寺川の分水場です。

 地元の方々は、わんぶちと呼んでいます。

 ここで分けられた水が整備された道に造られた水路を流れているようです。

 わんぶち周辺の雑木林に入って、道を探ってみましたが発見できず、標石まで引き返しました。

 

5.遍路道

 古い標石まで戻り、標石の左側の水が流れくる方へ足を踏み入れると、道がありました。かなりの荒れようで、ずいぶん長い間、誰も歩いていないようです。

 三角寺川の下山口からここまでの区間は、すっかり藪化して荒れた道になっているようです。

 では、ここから下る道はどこに?

 標石の周辺を探ると、整備された道から分かれて下っている道を見つけました。ここから三角寺川に沿って西金川まで下るようです。

 もちろん道は荒れていて、西金川側で道が無くなっていることから考えると、かなり厳しい道になっているようです。

 

今回は、三角寺から三角寺川に沿って西金川へ下る本来の遍路道を確認することができました。

現状は、とても歩くことはできませんが、今も本来の遍路道が残っていることに感動を覚えました。

それとともに、歩く人がいなくなれば、やがて道は消えてゆくことを実感し、物寂しさを感じました。

 

悠久の遍路道が後世に受け継がれてゆくことを願うばかりでございます。